すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

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ネットで「逆詐欺」「攻殻機動隊」「奈須きのこ」「若おかみ」 等ど物騒な評判の映画。


正直なところ、 上記の感想をTwitterの短い文章で使いたくなる気持ちはわ かるし、どの部分のことを言ってるのかも、なんとなくわかる。

が、一部を取り出して大げさに言い過ぎと言わざるおえない。( 個人的には、新手のスタンド攻撃という印象。これも大袈裟。)

ネットの反応にあるほど殺伐とはしていないというか、 むしろかなり優しいいいお話になっている。もちろん、 子供向けではあるが、 すみっコが好きな人たちに喜んでもらえるように丁寧に作られてい る。すみっコのぬいぐるみを握りしめた人たちが、 楽しそうに笑っていたのが印象的だった。

個人的には、誰かに食べてもらいたい「とんかつ」と「 えびのしっぽ」が赤ずきん役だったのは面白かったし、 クライマックスにつながるある伏線とそれを使った演出はとても美 しかったと思う。そして、 そこでちょっと泣いて最後の原田知世のエンドロールで更に泣く。

 

 

 

以下ネタバレ

 

 

 

 

 

 

絵本に閉じ込められたすみっコたちが、 そこで出会った映画オリジナルキャラのひよこの正体を探っていく というというのが大まかなストーリーなのだが、

絵本の内容がいわゆる桃太郎や赤ずきん等なので、 ひよこの境遇とビジュアルから「おまえ、 ひよこじゃなくて白鳥やんけ」と思ってしまったが、 もちろんそんな単純な話ではなかった。

ひよこの正体が絵本に描かれた落書きだとわかり、 元の世界に帰る方法もわかったってところで、 ひよこも絵本に残っても一人だし一緒に誘って帰ろうとすると、 ひよこは外に出れないことが判明するところが、うまい。 この前のシーンで偶然、外に出たぺんぎん? の落としていった絵本の中の花と自分を見比べて、 自分が絵本の外に出れないことを悟り残る決意をするひよこの切な さと、 帰っていくみんなの身についていたお揃いの絵本の花がハラハラと 散っていく様の美しさに、ちょっと泣く。

しかも、 そこで終わりじゃなくて一人にしてしまったひよこのために、 ひよこの描かれたページに家と仲間を書き足して飛び出す仕掛けも 作ってエンドロール。 ひよこがすみっコそれぞれをもとにしたひよこ仲間と楽しくやって いる様を観ながら聞く原田知世が実に心に沁みる。

油断していたところに思わぬ良作を突きつけられた驚きはわかるが、過剰な反応をし過ぎるのがインターネッツのよくないところだと思う。事実がねじ曲がるほどのアウトプットはどうにかならねーかなーと思うけど、何を行っても所詮は主観が混じるからな…