花束みたいな恋をした

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結構長いこと映画館の予告を見せられていたが、
「恋愛映画か、おれはいいや」を思っていたし、
菅田将暉有村架純とは言え、キャストにもそれほど触手が動かな っかた。
他の封切りもパッとしないし、ウォッチメンの課題になったから観 に行ったが
とても面白かった。

話としてはそれほどひねりもサプライズもなく、
割とオーソドックスな恋愛映画だった。
しかし、その分「花束みたいな」というのが言い得て妙で
最初の高揚感はあってもいつかは枯れてしまうものというのがぴっ たりだった。
あくまで一つの恋愛の始まりから終わりを描いたもので、
ハッピーエンドではないが、バッドエンドもなく観ていて悪いもの ではなかった。

劇中に本や作家、映画など様々な名称が出てくるが、
そこはあくまで記号的で時代感を出すためでもないが
それぞれの趣味への興味が、そのまま二人の関係や状況になってい て
わかりやすいというか共感しやすかった。
たぶんこのワンクッションなかったら「ふーん」ってなっていた。
でも、付き合うきっかけが押井守なのは、笑ってしまうが
なんというかその温度感はわかる。
麦(菅田将暉)の「もうパズドラしかやる気にならない」という慟 哭の深刻さは
直前のシーンで様子も相まって、なかなか抉られるものがあった。

劇中に出てくるカルチャーの名称は、やはり記号なので
それほどディテールを詰められていないし、詰める必要もないし
なんなら他のものに置き換えても成立してしまうんだけど、
上野のミイラ展が15年っていうのはすごく引っかかってしまった 。
あとは、物理書籍派なのに部屋が片付いているところとか
金がないのにスーパードライ常飲してたり、
些細なところだから気にしてもしょうがないけど、ちょっと引っか かった。

そもそも、期待も何もなかったとはいえ
人に勧めていいと思うくらいに良かったので
たまには自分で選ばないものも観てみるものだ。


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